ホームページは、作って終わりではありません。公開した後も、毎年いくらかの費用がかかり続けます。
ところが、この維持費の内訳を正確に把握している方は多くありません。「制作会社にまとめて払っているが、何の費用か分からない」という状態は、実際によくあります。
この記事では、ホームページの維持に必要な費用を項目ごとに分解し、それぞれの相場をご説明します。ご自身の支払いが妥当かどうかを判断する材料にしてください。
維持費は3つに分けられます
ホームページの維持費は、性質の異なる3種類で構成されています。
| 項目 | 性質 | 省略できるか |
|---|---|---|
| ドメイン | 住所の使用料 | 不可 |
| サーバー | 土地の賃料 | 不可 |
| 保守・管理 | 建物の手入れ | 自分でやれば不要 |
最初の2つは払わなければサイトが消える費用です。3つ目は、自分でやるか任せるかを選べる費用です。
① ドメイン費用:年1,000〜5,000円程度
「example.com」のような、インターネット上の住所にあたるものです。1年ごとの更新制で、更新を忘れると他人に取得されてしまいます。
末尾の種類によって金額が変わります。
- .com / .net:年1,500〜3,000円程度。もっとも一般的
- .jp:年3,000〜4,000円程度。日本の組織であることが伝わる
- .co.jp:年4,000〜5,000円程度。日本の登記企業のみ取得可能
ここで必ず確認していただきたいのが名義です。ドメインが制作会社の名義になっていると、取引を終える際に引き渡してもらえないことがあります。自社名義であることを確認してください。
② サーバー費用:月500〜3,000円程度
ホームページのデータを置いておく場所の賃料です。ほとんどの中小企業サイトは共用サーバーで十分です。
- 月500〜1,000円:小規模サイト向け。アクセスが少なければ問題なし
- 月1,000〜2,000円:一般的な企業サイト。表示速度が安定する
- 月3,000円以上:アクセスが多い、ネットショップなど
年間契約にすると割引になることが多く、実質的にはこれより安くなります。
なお、安すぎるサーバーは表示速度に影響します。1台のサーバーを多数の利用者で分け合うため、混雑の影響を受けやすくなるためです。詳しくはサイトが重い・遅いのはなぜ?で解説しています。
③ 保守・管理費用:月0〜30,000円程度
幅が大きいのは、「何をするか」で内容がまったく違うからです。
- 0円:すべて自分で対応する
- 月5,000円前後:サーバー・ドメインの管理代行のみ。更新作業は含まないことが多い
- 月10,000〜20,000円:更新・バックアップ・監視を含む標準的な保守
- 月30,000円以上:改善提案やコンテンツ更新まで含む
金額の比較よりも作業範囲の比較が重要です。内訳の見極め方はWordPress保守の費用相場は?で詳しく解説しています。
合計するといくらか
一般的な企業サイトを想定した、年間の目安です。
| 自分で管理 | 保守を依頼 | |
|---|---|---|
| ドメイン | 年 3,000円 | 年 3,000円 |
| サーバー | 年 15,000円 | 年 15,000円 |
| 保守 | 0円 | 年 180,000円 |
| 合計 | 年 18,000円 | 年 198,000円 |
※保守は月15,000円で計算した場合の例です。
最低限の維持だけなら、年間2万円弱で足ります。これは意外と知られていません。
ただしこの金額には、更新作業やトラブル対応にかかる自分の時間が含まれていません。その時間をどう評価するかで、判断は変わります。
制作費と維持費は別物です
混同されやすいのですが、ホームページを作る費用と、維持する費用はまったく別です。
制作費は最初に一度だけ発生する費用で、数十万円から数百万円になることもあります。一方の維持費は、公開後にずっと続く費用です。
ここで注意したいのが、「制作費に分割払いが含まれている」ケースです。月々の支払いの中に制作費の分割分が入っていると、維持費として高く見えます。この場合、支払いが終われば月額は下がるはずです。
何年も同じ金額を払い続けている場合、分割払いがいつ終わる契約だったのかを確認してみてください。すでに完済しているのに同額を払い続けている、ということが起こり得ます。
維持費を下げる方法
削れる部分と、削ってはいけない部分があります。
検討してよいもの
- サーバーの年間契約……月払いより1〜2割安くなることが多くあります
- 使っていない有料プラグインの解約……年単位の課金が残っていないか確認してください
- 保守の範囲を絞る……更新とバックアップだけに限定すれば費用は下がります
削ってはいけないもの
- ドメインの更新……失効すると他人に取得され、取り戻せないことがあります
- バックアップ……復旧費用は保守費用の何倍にもなります
特にドメインは、年間数千円をケチって事業の入口を失うという取り返しのつかない事態につながります。自動更新の設定と、支払いカードの有効期限を確認しておいてください。
請求書を確認するときの3つの視点
現在まとめて支払っている場合、次の3点を確認してみてください。
1. 内訳が書かれているか
「ホームページ管理費 一式」とだけ書かれている場合、何にいくら払っているのか分かりません。内訳の提示を求めるのは、まったく失礼なことではありません。
2. 更新作業が含まれているか
「サーバー・ドメイン管理費」という名目の場合、WordPressの更新作業は含まれていないことが多いです。この場合、更新は自分の責任範囲になります。
3. 名義が自社になっているか
繰り返しになりますが、これが最も重要です。ドメインとサーバーが自社名義でなければ、いざという時にサイトを移せません。金額の妥当性より優先して確認すべき項目です。
見落とされやすい費用
3つの基本項目のほかに、サイトによっては次の費用が発生します。請求書に出てこない形で契約していることもあるため、一度洗い出しておくことをおすすめします。
| 項目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| SSL証明書 | 年 0〜数万円 | 無料のもので十分な場合が多い |
| 有料テーマ | 買い切り 1〜3万円 | 更新権が年額のものもある |
| 有料プラグイン | 年 数千〜数万円 | フォーム・予約・多言語など |
| 独自メールアドレス | サーバー料金に含むことが多い | 別契約なら追加費用 |
特に有料プラグインの自動更新課金は見落とされがちです。使っていない機能に毎年支払いが続いていないか、クレジットカードの明細を確認してみてください。
SSL証明書については、多くのレンタルサーバーで無料のものが標準提供されています。有料の証明書を契約している場合、本当に必要かどうか一度検討する価値があります。一般的な企業サイトであれば、無料のもので十分なケースがほとんどです。
まとめ
ホームページの維持費は、「絶対に必要な2万円」と「選べる保守費用」に分けて考えると整理しやすくなります。
保守費用が高いか安いかは、金額だけでは判断できません。その金額で何をしてもらえるのか、そして自分の時間をどれだけ節約できるのかで決まります。
もうひとつ、判断の材料になる視点をお伝えします。「そのサイトから、年間いくらの売上が生まれているか」です。
問い合わせや予約が発生しているなら、維持費はコストではなく売上を維持するための必要経費になります。逆に、名刺代わりに置いているだけのサイトであれば、最低限の維持で十分という判断も合理的です。
同じ月額2万円でも、年間100万円の受注につながっているサイトと、誰も見ていないサイトとでは意味がまったく違います。金額の絶対値ではなく、そのサイトが果たしている役割と比べて判断してください。
まずは手元の請求書を開いて、内訳を確認するところから始めてみてください。
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