「WordPressの保守を頼みたいけれど、いくらが妥当なのか分からない」
調べてみると月額3,000円から10万円まで出てきて、かえって混乱したという方も多いのではないでしょうか。この価格差には理由があるのですが、その理由は各社のサイトにはあまり書かれていません。
この記事では、価格帯ごとに何が含まれるのか、そして見積もりを取るときに必ず確認すべき5つの質問をご紹介します。金額の数字だけを比較しても意味がない、ということが分かっていただけると思います。
なぜ価格にこれほど差があるのか
結論から言えば、「保守」という言葉が指す範囲が会社ごとにまったく違うからです。
極端な例を挙げると、月額3,000円のプランが「サーバー代の代行支払いのみ」ということもあります。一方で月額5万円のプランには、コンテンツの更新代行や改善提案まで含まれていたりします。同じ「保守」でも中身が別物なのです。
そのため、金額だけを並べて比較すると、ほぼ確実に判断を誤ります。まずは「何が含まれうるのか」を把握することから始めましょう。
保守費用に含まれる作業の内訳
一般的に、保守プランには次の要素が組み合わされています。
| 作業内容 | 位置づけ |
|---|---|
| WordPress本体・テーマ・プラグインの更新 | ほぼ必須 |
| バックアップの取得・管理 | ほぼ必須 |
| 稼働監視(サイトが止まっていないか) | 標準的 |
| セキュリティ対策・監視 | 標準的 |
| 月次レポートの提出 | 標準的 |
| 軽微な修正(文言変更・画像差し替え) | プランによる |
| 不具合発生時の復旧対応 | プランによる |
| 改善提案・SEO対応 | 上位プランのみ |
| コンテンツの追加・更新代行 | 別料金が多い |
この表を手元に置いて、検討中のプランにどこまで含まれているかを確認するのが、比較の第一歩になります。
価格帯ごとの目安
市場に出ているプランを整理すると、おおむね次の3つの層に分かれます。あくまで一般的な傾向としてご覧ください。
月額1万円前後:基本の維持管理
更新作業とバックアップが中心です。「壊れないように維持する」ことが目的で、積極的な改善は含まれないのが一般的です。
更新頻度が低い会社案内サイトや店舗サイトであれば、この価格帯で十分なケースが多くあります。
月額2万円前後:保守の標準形
上記に加えて、セキュリティ監視、軽微な修正対応、トラブル時の復旧が含まれます。最も選ばれることが多い価格帯で、問い合わせや予約が発生するサイトであればこのあたりが基準になります。
月額3万円以上:改善まで含む
維持だけでなく、表示速度の改善提案やSEO対応など「良くしていく」作業が含まれます。サイトが売上の主要な入口になっている場合に検討する価格帯です。
なお、多くの会社では年間一括払いで1〜2ヶ月分の割引が用意されています。長く続ける前提であれば選択肢になりますが、初めて依頼する相手であれば、まずは月払いで数ヶ月試してから切り替えるほうが安全です。
「安すぎるプラン」で確認すべきこと
月額数千円のプランがすべて悪いわけではありません。範囲を絞ることで安くしている良心的なプランも存在します。問題は、範囲が書かれていない場合です。
特に次の点は確認しておくべきです。
- 更新作業は本当に含まれているか……「サーバー・ドメイン管理費」だけの場合があります
- トラブル時の復旧は別料金か……ここが別料金だと、いざという時に想定外の請求が発生します
- バックアップはどこに保管されるか……同じサーバー内だけでは不十分です
見積もりを取るときの5つの質問
金額よりも、この5つへの回答を比較したほうが判断を誤りません。そのまま使っていただける形にしてあります。
- 「更新作業はどれくらいの頻度で行いますか?」
月1回なのか、緊急のセキュリティ更新は即対応なのかで安心感が変わります。 - 「更新後の表示確認はしていただけますか?」
意外と含まれていないことがあります。更新だけして崩れに気づかないのでは意味がありません。 - 「サイトが表示されなくなった場合、何時間以内に対応いただけますか?」
この質問への答え方で、体制の有無がはっきり分かります。 - 「毎月、何をしたか報告はいただけますか?」
レポートがないと、払い続けている実感が持てなくなります。 - 「契約を終了する場合、データはどう引き渡されますか?」
最も重要な質問です。ここで言葉を濁す会社は避けたほうが無難です。
金額以外に確認すべき契約条件
月額の数字ばかりに目が行きますが、契約条件のほうが後々効いてきます。特に次の4点は、契約前に必ず確認しておきたい項目です。
最低契約期間
「初回のみ12ヶ月契約」といった条件がついている場合があります。相性が合わなかった場合に身動きが取れなくなるため、できれば月単位で解約できるプランが望ましいところです。
解約時の予告期間
「解約は2ヶ月前までに申し出ること」という条件も一般的です。悪質というわけではありませんが、知らないと想定外の請求につながります。
修正対応の範囲と上限
「軽微な修正を含む」と書かれていても、その定義は会社によって違います。月何回まで、1回あたり何分までなのかを確認してください。「文言修正は含むが、画像の差し替えは別料金」といった線引きがあることもあります。
サーバー・ドメイン代が含まれるか
含まれている場合は割安に見えますが、注意点があります。サーバー契約が保守会社の名義になっていると、解約時にサイトを引き取れなくなることがあるためです。
サーバーとドメインは自分の名義で契約し、管理だけを任せる形が安全です。これは金額以上に重要なポイントだと考えています。
費用対効果をどう考えるか
保守費用は「何も起きないために払うお金」なので、効果を実感しにくい性質があります。判断材料として、次の2つの視点が役立ちます。
1つ目は、復旧費用との比較です。改ざんからの復旧や、バックアップなしでの作り直しには、数万円から数十万円かかることがあります。保守1〜2年分に相当する金額です。
2つ目は、自分の時間の値段です。自分で対応する場合、月に1〜2時間、トラブルが起きれば半日単位の時間が必要になります。その時間を本業に使った場合の価値と比べてみてください。
作業内容の詳細についてはWordPressの保守とは?やらないと起きる7つのリスクで詳しく解説しています。
まとめ
保守費用の比較で大切なのは、金額そのものではなく「その金額で何をしてもらえるか」です。
先ほどの5つの質問をそのまま投げてみてください。誠実な会社であれば、どれも明確に答えられるはずです。答えが曖昧な場合、それ自体が判断材料になります。
相見積もりを取る場合は、2〜3社程度で十分です。それ以上増やすと比較の手間ばかりかかり、判断が鈍ります。金額の並びよりも、質問への回答が具体的だった会社を選んだほうが、結果的に満足度は高くなります。
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