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WordPressのバックアップ完全ガイド:頻度・方法・復元まで

バックアップは、必要になるまで誰も気にしません。そして必要になったときには、たいてい手遅れです。

「サーバー会社が取ってくれているはず」「プラグインを入れてあるから大丈夫」——このように思っている方は多いのですが、いざ復元しようとしてデータが存在しない、あるいは壊れていて戻せないという事態は実際に起きています。

この記事では、何をどれくらいの頻度で、どこに保管すべきかを整理します。そして最も見落とされがちな「本当に戻せるかの確認」についてもご説明します。

WordPressのバックアップは「2種類」必要です

ここが最初のつまずきポイントです。WordPressのデータは、性質の異なる2つの場所に分かれて保存されています。

1. ファイル

画像、テーマ(デザイン)、プラグイン、WordPress本体のプログラムなどです。目に見える「モノ」と考えると分かりやすいと思います。

2. データベース

記事の本文、固定ページの内容、カテゴリー、コメント、各種設定などです。サイトの「中身」にあたる部分で、こちらはファイルとしては見えません。

重要なのは、この2つは片方だけでは復元できないという点です。ファイルだけ戻しても記事の中身は空っぽですし、データベースだけ戻しても画像が表示されません。

FTPでファイルをダウンロードしただけで「バックアップした」と思っているケースがありますが、それでは記事本文は保存されていません。ここは必ず押さえておいてください。

どれくらいの頻度で取ればいいのか

「毎日取るべき」と書かれた記事も見かけますが、実際にはサイトの性質によって答えが変わります。判断基準はシンプルで、「どこまで失っても許容できるか」です。

サイトの種類推奨頻度理由
会社案内・店舗紹介(更新が稀)月1回+更新前変化が少ないため頻度は不要
ブログを定期更新している週1回1週間分の記事なら書き直せる範囲
ネットショップ・予約サイト毎日注文データは再現不可能

※いずれの場合も「更新作業を行う直前」には必ず取得してください。

そして頻度以上に大切なのが「何世代残すか」です。最新の1つだけしか保管していないと、改ざんや不具合に気づくのが遅れた場合、バックアップ自体がすでに壊れた状態のものになってしまいます。

最低でも過去7世代(7回分)は残しておくことをおすすめします。

バックアップを取る3つの方法

方法1:サーバーの標準機能を使う(最も手軽)

エックスサーバーをはじめ、多くのレンタルサーバーには自動バックアップ機能が標準で備わっています。ファイルとデータベースの両方を、過去2週間分ほど自動保存してくれるのが一般的です。

設定不要で動いている場合が多いため、まずは自分のサーバーにこの機能があるか、有効になっているかを確認してください。すでに動いていれば、それだけで最低限の備えは整っていることになります。

ただし注意点があります。復元の際に別途手数料がかかるサーバー会社があります。いざという時に慌てないよう、条件を確認しておきましょう。

方法2:プラグインを使う

「UpdraftPlus」などのバックアップ用プラグインを使う方法です。スケジュールを指定して自動取得でき、保存先をGoogleドライブやDropboxなど外部サービスに指定できるのが大きな利点です。

一方で、プラグインが増えることによる動作の重さや、プラグイン自体の不具合というリスクも抱えます。サーバー標準機能で足りている場合は、無理に追加する必要はありません。

方法3:手動で取得する

FTPでファイルをダウンロードし、phpMyAdminからデータベースを書き出す方法です。確実ですが手間がかかるため、大きな更新作業の直前など、ここぞという場面で使うのが現実的です。

保管場所は「同じサーバーの外」が鉄則

ここが最も見落とされやすい点です。

バックアップをサイトと同じサーバーにだけ保存していると、サーバー自体に障害が起きた場合、本体もバックアップも同時に失います。火災保険の証書を燃えている家の中に置いているようなものです。

理想は次の2箇所に分散させることです。

  • サーバー上……復元が速い。日常のトラブル用
  • 外部(Googleドライブ・PC本体など)……最後の砦。月1回でも十分

月に一度、バックアップファイルを自分のパソコンにダウンロードして保管しておくだけでも、安心感はまったく違います。

なお、バックアップを溜め続けるとサーバーの容量を圧迫する点には注意してください。プラグインで自動取得している場合、古い世代を自動削除する設定になっているか確認しておきましょう。容量が上限に達すると、サイト自体が正常に動かなくなることがあります。

実際に復元が必要になる場面

「そんなに頻繁に使うものでもないだろう」と思われるかもしれません。実際、復元が必要になる場面は限られていますが、どれも予告なくやってきます。

場面1:更新でサイトが壊れた

最も多いのがこれです。プラグインを更新した直後にレイアウトが崩れた、画面が真っ白になった、といったケースです。

この場合、直前に取ったバックアップがあれば数分で元に戻せます。逆に無ければ、原因を特定して手作業で直すことになり、半日仕事になることもあります。

場面2:操作ミスでデータを消した

記事を間違えて削除した、固定ページの内容を上書きしてしまった、といったケースです。WordPressのゴミ箱は30日で自動的に空になるため、それを過ぎると復元できません。

場面3:改ざんされた

ここで世代管理の重要性がはっきりします。改ざんは気づくまでに時間がかかるため、最新のバックアップはすでに汚染されている可能性があります。

「いつから異常が始まったか」を推定し、それより前の世代に戻す必要があります。1世代しか保管していないと、この選択肢が取れません。

最も重要なこと:一度は「戻せるか」を試す

この記事で最もお伝えしたいのがこれです。

取得したバックアップが実際に復元できるかどうかは、試してみるまで分かりません。設定ミスで中身が空だった、容量制限で途中までしか保存されていなかった、といったことは珍しくないのです。

とはいえ、本番サイトでいきなり復元を試すのは危険です。現実的な確認方法としては、次のようなものがあります。

  • バックアップファイルをダウンロードし、中身を開いて画像や記事データが入っているか目視で確認する
  • ファイルサイズが極端に小さくないかを確認する(数KBしかない場合は失敗の可能性)
  • サーバーのテスト環境機能があれば、そこで復元を試す

年に一度でいいので、この確認をしておくと安心です。

まとめ

バックアップは保険と同じで、何も起きなければ何の役にも立ちません。しかし一度必要になったとき、あるかないかで結末が完全に変わります。

まずは「自分のサーバーに自動バックアップ機能があるか」を確認するところから始めてみてください。それだけで済んでしまうケースも多くあります。

なお、バックアップが必要になる場面として最も多いのが、更新作業の失敗と第三者による改ざんです。改ざんの確認方法は改ざんを確認する5つのサインにまとめています。

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