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WordPressの保守とは?やらないと起きる7つのリスク

ホームページは、公開した瞬間が完成ではありません。むしろそこがスタートです。

この感覚は、車を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。新車を買った日から、その車は何もしなくても走り続けてくれるでしょうか。実際にはオイルを換え、タイヤの空気圧を見て、2年ごとに車検を通します。それをやらなくても、しばらくは普通に走ります。問題が表面化するのは、たいてい何年か経ってからです。

WordPressサイトの保守も、まったく同じ性質を持っています。放置しても半年くらいは何事もなく動きます。だからこそ後回しにされやすく、そして気づいたときには手遅れになりやすいのです。

この記事では、「保守とは具体的に何をすることなのか」「やらないと実際に何が起きるのか」「自分でやるか外注するかの判断基準」を、専門用語をできるだけ使わずにご説明します。

WordPressの保守とは、具体的に何をすること?

「保守」と一言で言われても中身が見えにくいと思います。実際の作業は、大きく6つに分けられます。

1. 3種類の更新作業

WordPressは「本体」「テーマ(デザインの土台)」「プラグイン(機能の追加部品)」という3つの層でできています。この3つはそれぞれ別の開発者が作っているため、更新のタイミングもバラバラにやってきます。

更新の目的は主にセキュリティです。プログラムの弱点が見つかると開発元が修正版を出しますが、「弱点が見つかった」という情報は同時に世界中に公開されます。攻撃する側もその情報を見ています。つまり更新を怠っているサイトは、弱点の在り処が公開された状態で放置されているのと同じことになります。

2. バックアップの取得と保管

サイトのデータ(記事・画像・設定)を定期的に複製し、別の場所に保管します。ここで重要なのは「取っているつもり」で終わっていないかという点です。実際に復元してみたら壊れていた、というケースは決して珍しくありません。

3. 稼働状況の監視

サイトがダウンしていないか、身に覚えのないファイルが作られていないかを継続的に見ます。自分のサイトを毎日開く人は意外と少ないため、止まっていること自体に何日も気づかないという事態を防ぐ目的があります。

4. SSL証明書の期限管理

URLの先頭を「https://」にして通信を暗号化する仕組みですが、これには有効期限があります。期限が切れると、訪問者のブラウザに「保護されていない通信」「この接続ではプライバシーが保護されません」といった警告が表示されます。自動更新の設定がうまく働かず、ある日突然警告が出るというトラブルは頻繁に起きています。

5. 表示速度とスマホ表示の確認

プラグインが増えたり画像が積み重なったりすると、サイトは少しずつ重くなります。毎日見ている本人は変化に慣れてしまうため、初めて訪れた人がどう感じるかを定期的に測る必要があります。

6. 問い合わせフォームの動作確認

意外と見落とされがちですが、これは売上に直結します。プラグインの更新やサーバー側の仕様変更をきっかけに、フォームからのメールが届かなくなることがあるためです。

保守をしないと起きる7つのこと

ここからは、実際に放置した場合に何が起きるのかを具体的に見ていきます。

リスク1:サイトを改ざんされる可能性

最も多く、最も損害が大きいのがこれです。古いプラグインの弱点から侵入され、サイト内に無関係な宣伝ページを大量に作られたり、訪問者を別サイトへ飛ばす仕掛けを埋め込まれたりします。

厄介なのは見た目が変わらないことが多い点です。詳しい確認方法はWordPressサイトが改ざんされた?今すぐ確認すべき5つのサインにまとめています。

リスク2:表示が遅くなり、訪問者が離れる

Googleは、ページの主要な内容が表示されるまでの時間を2.5秒以内にすることを「良好」の基準としています(Core Web Vitals)。この数字を超えると、訪問者は読む前に離脱し始めます。

リスク3:検索結果で見つけてもらえなくなる

表示速度やセキュリティの状態は、検索順位に影響します。また、制作時の設定ミスで「検索エンジンに載せない」設定が残ったままになっているサイトも実際に存在します。この場合、どれだけ良い内容を書いても検索結果には一切表示されません。

リスク4:スマホで正しく表示されなくなる

今や多くのサイトで、訪問者の半数以上がスマートフォンからのアクセスです。パソコンでしか確認していないと、スマホではボタンが押せない、文字が切れているといった状態に気づけません。

リスク5:トラブル時に元に戻せない

バックアップがない状態でトラブルが起きると、復旧費用は数万円から数十万円になることもあります。最悪の場合、作り直すしか選択肢がありません。

リスク6:問い合わせが届かなくなる

フォームが壊れていても、エラーは表示されません。訪問者は「送信完了」の画面を見て安心し、あなたには何も届かない。この状態が何ヶ月も続いていたという例は、実際にあります。

リスク7:更新が怖くてできなくなる

これは見落とされがちですが、実は深刻です。更新を何年も放置すると、バージョンの差が開きすぎて「更新ボタンを押したらサイトが壊れるかもしれない」という状態に陥ります。こうなると身動きが取れず、リスクを抱えたまま時間だけが過ぎていきます。

自分でやる場合、どれくらいの手間がかかる?

「自分でやれないことはないのでは」と思われるかもしれません。実際、技術的な難易度が特別に高いわけではありません。問題は継続できるかどうかです。

一般的な規模のサイトを想定した、月あたりの作業時間の目安を挙げてみます。

作業内容頻度時間の目安
更新前のバックアップ月1〜2回20〜30分
本体・テーマ・プラグインの更新月1〜2回20〜40分
更新後の表示確認(PC・スマホ)更新のたび20〜30分
フォームの送信テスト月1回10分
表示速度・セキュリティの確認月1回15〜30分
不具合が出た場合の調査・修正不定期1〜数時間

※サイト規模やプラグイン数により変動します。あくまで一般的な目安です。

順調に進めば月に1.5〜2時間程度。ただしこれは「何も起きなかった月」の話です。更新後に表示が崩れた、プラグイン同士が干渉した——こうした事態が起きると、原因を探すだけで半日が消えることもあります。

「うちは大丈夫」と思っている人が見落としがちな3つの誤解

ご相談を受けていて特に多いのが、次の3つの思い込みです。どれも自然な誤解なのですが、放置の期間を長引かせる原因になっています。

誤解1:制作会社が面倒を見てくれているはず

ホームページの「制作」と「保守」は、多くの場合別々の契約です。制作会社にとっては納品した時点で契約完了であり、保守契約を別途結んでいない限り、その後の更新作業は行われていません。

「作ってもらった会社があるから大丈夫だと思っていた」まま5年が経過していた、というケースは実際によくあります。まず確認していただきたいのは、保守契約を結んでいるか、結んでいるなら毎月何をしてもらっているかの2点です。請求書の名目が「サーバー管理費」だけになっている場合、更新作業は含まれていない可能性があります。

誤解2:レンタルサーバーが自動でやってくれている

サーバー会社が責任を持つ範囲は、基本的に「サーバーが正常に動いていること」までです。その上で動いているWordPress本体・テーマ・プラグインは、利用者側の管理範囲になります。

マンションでたとえると、建物の設備や共用部分は管理会社が見てくれますが、部屋の中の様子までは管理してくれない——その線引きに近いものだと考えてください。

なお、WordPressの自動更新機能をオンにしている場合も油断はできません。更新自体は実行されますが、更新後に表示が崩れていないかを確認する人がいないためです。ある朝、気づかないうちにレイアウトが壊れていた、ということが起こり得ます。

誤解3:小さいサイトだから狙われない

これは最も多い誤解かもしれません。「有名企業でもないし、うちみたいな小さいサイトを狙う人はいないだろう」という感覚です。

しかし実際の攻撃は、誰かが標的を選んで行うものではありません。機械的に大量のサイトを巡回し、弱点のあるサイトを自動的に見つけ出す仕組みが主流です。そこで判定されるのは「古いバージョンが動いているかどうか」だけで、サイトの規模や知名度は考慮されません。

むしろ管理が手薄になりがちな小規模サイトのほうが、条件に合致しやすいとも言えます。

自分でやるか、任せるかの判断基準

どちらが正解ということはありません。次の3つの質問で考えてみてください。

  1. そのサイトは売上に関わっていますか?……
    問い合わせや予約が入るサイトなら、止まった時の損失が保守費用を上回ります。
  2. トラブルが起きたとき、自分で対処できますか?……
    ここで不安を感じるなら、その不安自体がコストになっています。
  3. その1〜2時間を、本業に使ったらいくらの価値になりますか?……
    これが実質的な判断軸です。

特に「サイトは大事だと思っているが、後回しになっている」という状態が一番危険です。その状態が数年続いた結果として、改ざんや復旧不能といった事態が起きています。

まとめ

保守は、やっている間は何の成果も見えない仕事です。しかしそれは「何も起きていない」という成果が出ている状態でもあります。

まずは今のサイトがどんな状態なのかを知ることから始めてみてください。問題がなければ、それが分かるだけでも安心材料になります。

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