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制作会社と連絡が取れない|サイトを引き継ぐために確認すること

ホームページを作ってもらった会社と、連絡が取れなくなった。担当者が退職した、会社が事業をたたんだ、あるいは何度メールしても返事がない——。

この状況は、決して珍しいものではありません。そして多くの場合、「困っていないから放置している」という状態で何年も過ぎていきます。

問題は、本当に困る日が突然来ることです。サイトが表示されなくなった、ドメインの更新通知が届かない、そういう場面で初めて「誰に頼めばいいのか分からない」という状況に直面します。

この記事では、いま確認しておくべきことと、引き継ぎのために必要な情報を整理します。

最優先で確認すべきは「名義」です

他のどの作業よりも先に、これを確認してください。ドメインとサーバーが誰の名義になっているかです。

ここが自社名義であれば、最悪の場合でもサイトを守れます。制作会社の名義になっていると、連絡が取れないまま失う可能性があります。

ドメインの名義を調べる方法

whois(フーイズ)検索」という仕組みで、誰でも確認できます。「whois 検索」で調べられるサイトに自分のドメインを入力してください。

表示される「登録者名(Registrant)」が自社または自分の名前になっていれば安心です。制作会社の名前が出てきた場合は、移管の交渉が必要になります。

なお、個人情報保護のため代理表示になっている場合もあります。その場合は、ドメイン管理会社(お名前.com、ムームードメインなど)のログイン情報を持っているかどうかが判断材料になります。

サーバーの契約者を確認する方法

サーバー会社からの請求が自社のクレジットカードや口座から引き落とされているかを確認してください。引き落としがなければ、制作会社が契約している可能性が高くなります。

引き継ぎに必要な5つの情報

連絡が取れるうちに、以下を入手しておいてください。これがあれば、別の会社への引き継ぎが可能になります。

  1. ドメイン管理会社のログイン情報
    更新手続きと移管に必要です。最重要項目です。
  2. サーバーの管理画面のログイン情報
    バックアップの取得や設定変更に必要です。
  3. FTPの接続情報
    ファイルの操作に必要です。サーバー管理画面から再発行できることも多くあります。
  4. WordPressの管理者アカウント
    自分が管理者権限を持っているか確認してください。
  5. 使用しているテーマの情報
    市販テーマか、制作会社のオリジナルかで、その後の対応が変わります。

1と2が揃っていれば、ほとんどの場合なんとかなります。逆にこの2つがないと、選択肢が大きく狭まります。

今すぐできる自衛策

1. 自分でバックアップを取る

サーバーの管理画面に入れるなら、いますぐバックアップを取得して手元に保存してください。ファイルとデータベースの両方が必要です。

これがあれば、最悪サーバーを失っても、別の場所でサイトを復旧できます。詳しい手順はバックアップ完全ガイドにまとめています。

2. 更新通知の宛先を自分にする

ドメインとサーバーの更新通知が、制作会社のアドレスに届く設定になっていませんか。この状態だと、更新忘れに気づけません。

ドメインが失効すると、サイトもメールも同時に止まります。復旧できないこともあるため、通知先は必ず自分のアドレスに変更してください。

3. 管理者権限を確認する

WordPressの「ユーザー」画面を開き、自分のアカウントの権限グループが「管理者」になっているか確認してください。「編集者」だと、プラグインの操作などができません。

あわせて、退職した担当者や制作会社のアカウントが残っていないかも確認しましょう。使われていないアカウントは、セキュリティ上のリスクになります。

サイトの現状も把握しておく

連絡が取れない期間が長いほど、WordPressの更新が止まっている可能性が高くなります。

管理画面に入れる場合は、「ダッシュボード → 更新」を開いてください。更新可能な項目が何十件も溜まっていれば、それだけリスクが蓄積している状態です。

管理画面に入れない場合でも、外側から確認できることはあります。SSL証明書の期限、セキュリティ設定、検索エンジンへの表示設定などは、URLさえ分かれば調べられます。

放置期間中に改ざんされていないかも、あわせて確認しておくと安心です。確認方法は改ざんを確認する5つのサインにまとめています。

新しい依頼先を探すときの確認事項

同じ状況を繰り返さないために、次の依頼先を選ぶ際は以下を確認してください。そのまま質問として使える形にしています。

  1. 「ドメインとサーバーは、こちらの名義のままにできますか?」
    ここで渋られる場合は注意が必要です。名義を預ける合理的な理由は、通常ありません。
  2. 「契約を終了する場合、データはどう引き渡されますか?」
    明確に答えられる相手を選んでください。
  3. 「担当者が不在のとき、連絡窓口はありますか?」
    個人に依存する体制だと、今回と同じことが起こります。
  4. 「毎月、何をしたか報告はいただけますか?」
    作業内容が見えないと、連絡が途絶えても気づけません。

これらは金額よりも重要な確認事項です。判断の材料はWordPress保守の費用相場は?でも整理しています。

連絡が取れない相手への対応

返事が来ない場合でも、記録を残す形で連絡を試みてください。

  • メールで「ドメイン・サーバーの管理情報の引き渡し」を明確に依頼する
  • いつ、どのような内容で連絡したかを記録しておく
  • 会社が存続しているか確認する(法人番号公表サイトなどで調べられます)

ドメインが相手名義のまま連絡が取れない場合は、ドメイン管理会社に直接相談するという方法もあります。事情によっては対応してもらえることがあります。

情報が何も手元にない場合

ログイン情報がひとつも分からない、という状況でも打つ手はあります。順に試してください。

  1. サーバー会社を特定する
    whois検索やサーバー情報の調査サービスで、どこのサーバーを使っているか調べられます。
  2. サーバー会社に直接問い合わせる
    契約者本人であることを証明できれば、ログイン情報の再発行に応じてもらえる場合があります。
  3. 過去のメールを検索する
    契約時の控えメールが残っていることがあります。「ご契約」「アカウント」などで検索してみてください。
  4. 支払い履歴をたどる
    クレジットカードや口座の明細から、契約先が判明することがあります。

契約が制作会社名義だと、本人確認の壁で止まることもあります。それでも問い合わせてみる価値はあります。事情を説明すれば、取り得る手段を案内してもらえることが少なくありません。

まとめ

この状況で一番避けたいのは、「困っていないから、そのまま」という判断です。

本当に困る日は、ドメインの期限が切れた日か、サイトが改ざんされた日にやってきます。そのときになって情報を集め始めても、間に合わないことがあります。

まずはドメインとサーバーの名義を確認するところから始めてください。ここが自社名義だと分かるだけでも、状況はかなり違って見えるはずです。

最後に、今日中にできることをまとめておきます。どれも数分で終わり、それぞれが独立して意味を持つ作業です。

  • whois検索でドメインの登録者名を確認する
  • サーバー費用が自社の口座から引き落とされているか確認する
  • WordPressに管理者権限でログインできるか試す
  • ドメインの有効期限がいつまでか調べる

この4つが確認できれば、いま自分がどれくらい危うい状態にあるのかがはっきりします。危険だと分かれば手を打てますし、問題なければ安心できます。どちらにしても、知らないままでいるより確実に良い状態です。

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